宿命の宮島を、あきらめるわけにゃ、やめるわけにゃあいかねえんだよ！

店長のおっつあんから「お前の注文しとった心拍計がきたで。わしもそろそろ使うから貸しとったやつ返せ。」とメールがきたので仕事帰りにウェーブに寄る。
俺の顔を見るなりおっつあんは笑い、
「なにマヌケしとんじゃ！」
「しょーがねーじゃんか。怪我なんだからよう。」
「ジョー、そんなことであきらめるんか。男なら行くで。わしなら行く。」
「おっつあん、バイクの振動でも、スイムの入水でも響くんだぜ。人の体と思って好き勝手言うんじゃねえ。」
そこへ塾長が来て「そりゃあ、ブレーキもかけれなくちゃ危ないでしょ。」と王子様のような言葉。
「いや、かけれんことはない。大丈夫じゃ！」
・・・おっつあん、自分が佐渡に向けてエンジンかかったからってよぉ、しゃあしゃあ言うんじゃねぇぜ。
「ジョーわしゃおめえに完走してもらいたいんだよ。心からな。」

おっつあんに言われなくても、行くに決まってるじゃねえか。
宿命の宮島にはよぉ。
あきらめるわけにゃ、いかねぇんだよお！！！
この骨折した体であの宮島と立派に戦い抜いてみせるぜ。

スイム1700m。
「こうして、入水の角度を変えりゃ痛くねえだろ。ジョー。」
・・・どうやっても痛えよ、おっつあん！