心を強く持て

今日もジテツーしたけど、仕事が終わって自転車置き場に行くと、私のジャイアン君がぽつりといるだけ。
他の職種の人はとっくに帰ってるんだな、たいがい。
ナースでジテツーしてるのは私くらいだから。
仕事のグチいうのは嫌いだけど、ちょっと聞いて。
よく言われるんだよね。
「看護師さんって、いいわねぇ、こんな時代でも左うちわでしょ。」
確かに不景気な時代でも医療は堅い。食いっぱぐれはない。
でもね、夜勤して手当てがつけばなんとか給料になるけど、拘束時間の割にはそんなによくないよ。
日勤だけの個人医院だとコンビニの自給とそう変わらないと思う。国家資格あるのに。
三交代してなんぼだけど、サービス残業ダントツ多いし、身体にはよくないし、子どもにはさみしい思いさせるし、家庭との両立はよっぽど旦那さんが協力的でないと難しいと思う。
婚期を逃す人が多いのも事実。
昨日なんかね、認知症の手術の患者さんを受け持ったんだけど、大興奮して手術台から落ちそうになるのを支えてたら、胸ぐらを掴まれて
「ワシを誰だと思ってるんだ！」
ぶたれて、蹴られて、腕にかぶりつかれた。
ちなみに、この人、元医者。
警察官、校長先生など、認知症になったらこんな感じの人が多い。
看護師の患者への虐待なんかあれば当然ながらものすごい社会問題として取りざたされるけど、実際には患者からの看護師に対する暴言暴力のほうが断然多い。
私ら日常茶飯事だからなれて何とも思わないし、家に帰って家族にも話したりしない。
逆にそれで怪我でもしたら、なんで気をつけなかったの？って思われるだけの話。
それにミスでもしたら、個人責任として訴えられる時代。なので個人賠償保険にも入っている。
ほんでね、さっきの患者さんの話にもどって、手術する医者が来たんだけど、
「先生よろしくお願いします。」
と、とたんにしおらしくなる。
なんでやねん？
患者さんってね、看護師にはなんでも言いたい放題言って、医者にはこんな感じ。
そんで医者も看護師に好き勝手言う。
板ばさみ。
ベットサイドに一番長く居て、頼りにされながらも、理不尽なクレームも受け入れなだめ、時にはサンドバックのようにされ、まるで母親的役割。
医療従事者の中で新就職のとき看護師の給料は比較的いいんだけど、昇給率は他職種と比べ低く、むしろ経験年数が増すにつれ下がったりする。
これって、地位の低さを表していると思う。
まあ、働けるだけでも恵まれていることだから、グチるのはここまでにして・・。
どんな仕事だって、苦労はある。
身近に言えば、学校の先生もうつ病になって長期休暇を取ったりしている。傷病手当をもらって。
政治家の自殺もよく聞きますね。
大変さは察します。
ただ、一つ言いたいのは、
その仕事の厳しさ覚悟して、その仕事、選んだんですよね。
看護師も、教師も、政治家も、根本、「尽くす」仕事だと思う。
「はい、自分の仕事これで終わり。」ではすまない仕事だから。
相手のペースに合わせ、それぞれ患者、生徒、国民の立場になって考える仕事だからね。
とにかく、心がなんぼあっても足りないようなことじゃ、
やってけないぜ。