愛の戦士キューピーハニーの日記Neo

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1本足の栄光〜ある片足アスリートの半生 読書感想文

パフュームマニアさん、大切な本を貸していただきありがとうございました。
遅くなりましたが、感想です。


1本足の栄光〜ある片足アスリートの半生  
            ポール・マーティン著 小滝頼介訳 実業之日本社


あらすじ
片足を失いながら、スキー、アイスホッケー、自転車競技トライアスロンの4つの競技で全米代表になり、97年障害者トライアスロン世界選手権優勝、00年シドニーパラリンピック出場、02年障害者自転車世界選手権優勝、ハワイアイアンマン・レース完走4度など、輝かしい実績を残してきた男の、人生応援歌。


主人公は1967年アメリカ、マサチューセッツ州ガードナーに生まれる。両親の離別、勇敢で心の底では尊敬する父との葛藤の決別、養子生活、アメリカの若者なら珍しくないんだろうがマリファナ・コカインに浸る日々、無免許運転で事故るなどちょっぴりすさんだ波乱万丈な青春期を送る。
事故に縁がある人で、大学進学し、有望なセールスマンとして仕事も軌道に乗った頃5度めの大きな交通事故に遭い、片足切断を余儀なくされる。
それでも企業人としての道を歩みながら、スポーツも続ける。
スポーツにのめり込む一方で、企業人としての成功に疑問を持ち始めた。
「たとえ社長になったとしても、それが幸せの保証になるのだろうか。もっと意義深く、歩んでいる人生が正しいという自覚を持ちたい。」
職場を去り、アスリートの道を歩み始めた。
「夢を描いて会社を辞めた。そのときどきで自分が情熱を傾けられることをやって生計を立てていく。」
「目標に向かって進むとき、がむしゃら過ぎると物事の優先順位がわからなくなることがある。視野が狭くなり、方向転換すべき信号をつい見逃してしまう。
決してあきらめないという生き方を選んだことで、これまでに何度も危険な立場におちいった。」
「私は障害を持たない優れたアスリートに混じって、耐久スポーツを戦っている。そしてその能力を追求することに、衝動ともいえる強い気持ちを持っている。」
「もし片足になっていなかったら、自分の人生がどうなるかなど、気にもかけていなかっただろう。たとえ可能であっても、時間をさかのぼって人生を変える気はまったくない。私は脚切断障害者であり、貧乏な財政的障害者だが、ハッピーでいられる。」
「私の活動を見て、定職にも就かず、やりたいことをするため、自分の立場を利用していると考える人もいる。しかし、他人に希望や激励を与えながら、自分のやりたいことを追及する生活にまさる生き方が、いったいほかにあるというのだろうか。」


私は障害者でもプロのアスリートでもないが、その立場でないにしろ、魂が揺さぶられるほど共感した。
主人公は言う。「私の気持ちを前向きにさせてくれるのは、スポーツしかない。」




子どもの頃は思っていた。「なんでも出来る。なんにでもなれる。自分は特別な存在だ。」
歳とるにつれ、いかに自分が凡人かを思い知り、無理せず、小さく小さくまとまろうとした。
妥協することに慣れた。
トライアスロンを始めたことで、子どもの頃持っていたあの万能感をすこしだけ取り戻せた気がした。
「自分にはやればなんだって出来るんじゃないか。」


人生は戦いだ。しかし意識しなければたちまち人生はぬるま湯となる。惰性の時間を費やす。
しかも人間(私はだが・・・)せっぱつまらなければ本気を出さない。能力を最大限に出そうとしない。
だから目前の課題をクリアしていくことが大切だ。
何事も。
決して逃げずに、目を背けずに。


ほんとうにやりたいことってなんだろう。自分にとっての幸せとは。
真剣に考えて、必死に探して、やっと見つかるもんだろう。
探さなければ、あっという間に人生は終わる。
探せた人が、納得出来た人が、人生の勝者なんだろう。鉄人なんだろう。