愛の戦士キューピーハニーの日記Neo

生涯現役、生涯前向き、生涯楽しむ心、生涯自分磨き

人生に対する危機感

認知症患者さんで、常に落ち着かず多動な人がいて、危険で目が離せないため、車イスに乗ってもらい夜勤中も部屋周りしながら一緒に行動する、よくあるパターンなんです。
70代男性なんですが、話を聞いてると「○○君はもう帰ったかね?」「君達は防塵マスクをしたがらないが、じん肺を防ぐためにはおっくうがらずしなければならないよ。」などという。
この人きっと、仕事の世界にいるのね。
「○○さんは、どのようなお仕事をされていたんですか?」
「私かね、私は鉄工所に勤めていた。」
「どんなものをつくられてたんですか?」
「船とか飛行機のエンジン。魚をとる道具とか。なんでも造ってたよ。」とたんに笑顔に。
「もしかして工場長とかされてたんですか?」
「そのとおり。私はこんなところにいるわけにはいかない。私が半日会社を開けたら大損害が出るんだ。」
あーそうか。仕事のことが気になって、それでこの人落ち着かないんだ。
「○○さんは、趣味はお持ちでしたか?」
「趣味・・特にないね。仕事だけだねえ。」
仕事一筋の人がリタイアして、認知症になった今も、仕事のことを気にしている。
その人にとっていい時代は、いつまでも記憶に残り、脳裏を占めるものなんだろう。
話を傾聴していると、さすがに管理職らしく仕事に対する危機感というものを持たれている。
しかしこの人は自分の人生に対する危機感というものを持ってはいなかったのだろうか。
すんでみないとわからないけど、いい人生ってどんなんだろう。