愛の戦士キューピーハニーの日記Neo

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第9回児島半島港めぐり100kmマラソン

参加回数で言えば今年で5回目となるこの大会。
去年に引き続きAコース111.02kmに挑戦しましたが、結果から言うと、103km地点でリタイアしました。


今回主催者Fさんより、開会式の際に大和魂のチーム紹介と選手宣誓の機会を与えていただいていた。
簡単にチーム紹介を・・と考えていたらFさんより「大和魂の名前の由来を一言で」と質問され、う〜ん、一言では言えない参った・・と思ったがスタート時間も迫っているので、吉田松陰の句から思いついて・・とお話する。
私は、今の日本が豊かなのは、先人の方々の偉業や努力、苦労のおかげと思っています。
激動の時代であった幕末の時代に、アメリカから黒船が来て開国を迫った。
松陰は黒船に飛び乗って密航をはかろうとするんですね。このままでは日本はいずれ大国に食われてしまう。西洋の世の中を見て、持ち帰ろうとしたんです。強い日本にするために。
当然つかまります。その後の活動も危険思想とされ、処刑されます。
「かくすれば、かくなるものと知りつつも、やむにやまれぬ、大和魂
「身はたとえ、吉野の野辺に朽ちぬとも、留めおかまし大和魂
坂本龍馬にしても、屈託のない人柄からくるコミュニケーション力を生かして、幕府に対抗する勢力として犬猿の仲であった薩長に同盟を結ばせたり、武力によるものではなく平和な倒幕としての大政奉還につなげるために奔走した。一歩先を読む考えは理解されないため、この人も暗殺されます。
私利私欲でなく、国を思い、世の中をよくすることを願って、行動に移して、自分のエネルギーを、命を注いだ。現代人にその魂が持てるだろうか。
士農工商なんて身分制度があって、その身分に生まれたらあぐらをかいて怠惰でも生活が保障されていたり、逆にどんなに能力があっても努力しても報われない立場で一生を過ごさなければならない世の中だった。
だから、現代人の私達は、努力しないと先人に失礼だ。


選手宣誓では、「我々選手一同は、私達を支え励まし応援してくださる大会関係者・ボランティアの皆様への感謝の気持ちを胸に、自分を信じて、最後まで諦めずに、力を出し切ることを誓います。これから長い旅になりますが、無事ゴール会場に戻ってきます。」の文句を考えていた。お風呂の中で練習していったが緊張してちょっと違うこと言っちゃった(笑)。


さて肝心のレースについて。
去年このAコースを80km過ぎでリタイアした。絶対的な脚力不足を痛感した。去年は練習時間をなんとか捻出出来たのに、どうにもモチベーションが上がらず練習不足に至った。その恥ずかしさより反省し、今年はモチベーションはあがっていたのに、練習時間がどうにも取れない状況になった。皮肉なものだ。いや想定した年間計画で臨まなかった自分の緊張感のなさがすべての原因だ。
だが今年は翌日に休日が確保出来たので、こんな状況でも、灰になるまで、自分を追い込もうと臨んだ。
そして絶対にゴールしようと。


43km地点でのAコースとBコースとの分かれ目のところまでの一部コースをBコース参加の一人の女性選手と走り、その女性に「絶対追いかけるんで、先行っててください。」と自分に気合を入れるつもりで伝え分かれる。
この金甲山は難関。登って下ると一気に足にくる。距離だけでいうと+10kmのAコースだが、足への負荷と第一関門に間に合わすレース運びの必要性を考えると20km以上の負荷がプラスされるのではないだろうか。
登り始めの段階でAコースの健脚組が続々と下ってくる。今日は降水確率80%で金甲山は小雨の中すごい霧。下ってくる健脚組が霧から浮き出るヒーローのように見えた。仮面ライダーみたいな感じ。勇気をいただくためにハイタッチ。
下って貝殻山に向かうが、第一関門61km地点の制限時間にはどう考えても無理な展開。50分オーバーで到着する。しかし続行させていただけるのがこの大会のほんとうに温かいところ。
スピードは出せないが、去年よりは足は残っている。この大会に備え口に出すのも恥ずかしい練習量だが、一回5〜10kmの短い距離でも薄いソールのシューズで坂道往復をしたからだろう。絶対的に距離走が欠けていること自体は致命的なんだが。
このとき一人の男性選手がリタイアされ、私が最終ランナーになり、児島マラソンクラブのNさんがサポートランナーをしてくださる。後ろからペースにあわせて走ってくださり(私の走りに合わせて歩いたり)、金甲山貝殻山を終えて相当足にきているはずなのに、割と順調に走れた。ウルトラは距離が長いからといってペースを落としたら命取りだし、痛みを騙し騙しでも一定ペースで刻んだほうがいい気がする。初心者で完走ままならない私が言うのもなんだが。
でも、今も決して楽なわけではない。考えないようにしているだけ。
その時頭に浮かんだのは、スタート前の自分が宣誓した言葉。
「自分を信じて、最後まで諦めずに、力を出し切る」
そうか、一番完走が怪しいこの私に、Fさんが宣誓を任せてくださったのは、私の完走を願ってくださっているからこそなんだ。そう勝手に思えてきて、ひたすら呪文のように心の中でこのセリフを唱える。
それから一人の男性選手を越して、Nさんはその男性のサポートにつかれる。寡黙に、遅い私がプレッシャーを感じることもないよう、後ろからさりげなくサポートしてくださったNさん、ありがとうございました。私がもし、サポートランナーをさせていただける機会があったなら、Nさんのようなサポートランナーになりたいです。いまは自分のことで精一杯ですが(笑)。
今年もエイドでのボランティアの皆さんの温かいおもてなしを受けて、苦しさを紛らわせながら進んでいく。どんなに気の遠くなるような距離でも足を進めてさえいれば距離は縮まっていくわけだから。
80km過ぎて、とうとう脚にがくんと来た。たった1kmがほんとうに進まない。
でも関節を痛めたとか肉離れしたとか、異常な脚の痛みじゃない。激しい筋肉痛、使い痛みなんだ。単なる生理的な反応。だから進もう。去年はこの時点でリタイアを決めたが、まったくリタイアする気持ちは念頭にない。
第一関門の制限時間は大幅に過ぎたが、この調子でいくとゴールを21時目標に出来ないか。(制限2時間前)
なーんて甘い考えは通じず。
曇り〜小雨のコンディションで、いつもと違い紫外線は和らいでいたものの、じめじめと張り付くような湿気は汗を蒸泄出来ず不快だったが、しだいに大雨となった。水溜りを避けることが出来ずシューズの中もグチュグチュだ。
この大会は募集人数も少なく選手も点在で、私はほぼ1人旅なのでゼッケンをみて「1人で100kmマラソンしてんの?」なんで道行く人から言われた。こんな大雨の中走ってさぞや物好きな変態にみえるだろう。
91km地点第2関門に制限時間20分オーバーで到着。やはりだめだったか。K社長と大会スタッフのみなさんから記念撮影を求められたけど、化粧も取れたくたびれた顔のヘタレで写ってんだろうな〜。
95km給水で何人かがリタイヤされたということで最終ランナーとなり、サポートランナーYさんがついてくださることになった。ここの給水で異常な空腹感が迫り、おにぎり1個まるごと摂取した。
まもなく我慢できない便意が生じて駆け込みたいのにトイレスポットがない。最終段階でおにぎりなんて食べたからか。Yさんの案内で一番近い公園のトイレを目指すが、これが遠いっ。いや遠く感じる。
トイレに駆け込み用を足すと、タール便だった。やはり今年も急性胃出血を起こしたか。体は悲鳴を上げている。
確かに胃のキリキリは続いていたがそれを私は空腹感に感じるみたい。
Yさんは私の前に出て、しかもライトを私向きに照らしながら走ってくださる。
脚は自由にならないし、今年も厳しい状態にある私が情けなくて情けなくて、Yさんに思わず愚痴ってしまう。
「宣誓までさせてもらって、ゴールも誓ったのに、はんとうに私はばかです。結局練習不足にしてしまって、それでも仕事で長時間の残業になっても、それもトレーニングの一環なんだと言い聞かせて今日出場したんだけど、身に余ることばっかりして自分がわかってないあほです。老体の親の孝行もせず、いい妻でも母でもなく、チームもつくっておいて、なんでこんなにばかなんでしょうか。」
Yさんはそれに対し返答はなく無言で走り続ける。
Yさんはそんなことより今がんばれよと無言で伝えてくださったんだと思う。黙々と前を引いてくれるYさんの優しさは伝わっている。ゴール最終制限時間に間に合わそうとしてくれているのだ。
私も必死でついていく。Yさんとの距離が離れないように。
Fさんが便宜を図ってくださり、当初私の専属サポートランナーだったMさんは故障中でもあったため後半でサポートしていただく予定であったが、私のゴールが遅いこともありゴール地点から自転車で駆けつけてくださった。
3人で暗い道を進んで行きながら、約100kmの地点で意識が朦朧となり、脚が絡むようになる。転倒の危険を自覚しYさんに歩きに変えることを伝える。
それから約3kmは歩き。走ることは無理な状況だった。
1時間と少しを残していたがこのペースでは制限時間を過ぎることが決定的。リタイアを決めた。
あきちゃんが回収車に乗せてくださることになったが、YさんもMさんも暗い山道を走って帰られることが申し訳なくて、
制限時間までは自分のペースで私も歩こうとしたが、酷い悪寒に襲われる。歩きでびしょぬれになった体が冷えて風邪をひきかけているようだ。喉も痛い。仕事柄免疫が低下した方々に接しているので、自分が病気になるわけにはいかない、そんなことが頭にさえぎってやはり回収車に乗せてもらった。
ゴール会場に帰っても、酷い疲れと胃の不快感で、ゴールされる他の選手の方々へのお祝いも、主催者Fさんへのお礼の言葉も言うことなく、車の中で悶絶していた。運転は危ないので仮眠して帰った。本当に失礼しました。


灰にはなったけど、やり遂げて灰になってないので、今年も半端もんです。
申し込んでおいて、完走しろよという話ですが、懲りないばかもんですが、
やっぱりAコースに挑戦してよかったです。
この大会に毎年挑戦させてもらって、自分の不甲斐なさを身に沁みて、自分てなんて甘いやつなんだって思います。
身体能力の乏しい私ですが、何をやるにも体が資本と思ってます。
だから、出来る限り出来る方法で自分を鍛えることを続けようと思います。
最後に、大会関係者・ボランティアの皆様、今年も大変お世話になりました。
選手の皆様、お疲れ様でした。
あきちゃん、私がコースアウトしないよう要所要所での見守りありがとうございました。だいちゃん最後までエイドサポート、寒気を訴える私に大切な倉トラフィニッシャータオルかけてくれてありがとうございました。
この大会は自分を成長させていただける大会です。感謝しています。
http://d.hatena.ne.jp/kewpiehoney123/20120917/1347855812:第5回大会
http://d.hatena.ne.jp/kewpiehoney123/20130923/1379934790:第6回大会
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